2017.8.21 船瀬俊介著「ミツバチが消えた『沈黙の夏』」

今から9年前に出された警告書ですが、今も何ら改善されていない我が国の現状に涙を流すのみです。農業において作物に害となる虫対策は頭の痛い問題ですが、戦後開発されてきた農薬には虫が耐性をつけるため常に新たな農薬が開発されてきました。有機リン系の農薬に変わり登場したのが「ネオニコチノイド系農薬」です。減農薬・人体に安全として登場したのですが、少量で生物の神経系を狂わせ、いつまでも地中に残留し、有益な昆虫や鳥、水中生物のいくつかにもダメージを与えることが分かり、特に花粉の受粉に役立つミツバチが大量に死滅するなどの害が立証され、フランスでは使用禁止になったのです。生命のことよりも企業の利益を優先する我が国では全く規制せず野放しの状態です。土からの医療を提唱する竹熊宜孝医師は「農薬は、農毒薬の略字なり。虫はコロッと、人はジワッと 殺される。」と喝破しています。土が砂漠化し、完璧にできている生命連鎖が人為的に崩されている我が国では、早く多くの人が内容を理解し歯止めをかけなければ日本人の将来はないと思います。