2012.7.30  野口勲著「タネが危ない」

2012.7.30  野口勲著「タネが危ない」

今私たちが食している野菜は先人たちの交配技術による品種改良で出来上がってきたものです。過去は手作業で雌しべにいろいろな特徴のある雄しべの花粉をつけて改良してきました。飯能市で固定種の種を作って販売してきた野口さんは最近の雑種強勢を利用したF1の野菜を作り続けることはミツバチや人間の繁殖能力に悪影響を与えているのではないかとこの本で警鐘を鳴らしているのです。動物は植物によって命を維持できているので事実ならばこれから大変なことになってしまう恐れがあるのです。最近は放射線照射、遺伝子組み換え、「雑種強勢」(生育環境や縁が遠い純系同士の交配雑種は親より立派な体格になったり、成長が早まったりする優性が顕現化する性質)を利用したF1というタネが主流となってきました。動植物の細胞内にはエネルギーを供給する源として必ずミトコンドリアが共生しているのですが、(動物で言えば男性機能を喪失した)ミトコンドリアの異常により雄しべの育たない変異種からF1種を作る方法が発見され、これが効率が良いため今はほとんどの種がこの方法を取るようになったのです。アメリカなどの大豆やとうもろこし作りは広大な土地に単一の作物を栽培するため花粉の交配に利用するミツバチはこの男性機能を失った植物の花粉や蜜しか取れないため、女王蜂やオス蜂の細胞内のミトコンドリアに異常が起こり、子孫を残せない状況が生まれるため20年毎にミツバチが大量にいなくなる原因ではないのかと推理しているのです。ひいてはこの方法で出来た野菜をとりつづける人間の生殖能力にも悪影響がでるのではないかと心配しているのです。早急にミツバチや人間のミトコンドリア異常の追跡研究が待たれるところです。