2012.4.30 壁材の原料④ ホタテ貝殻

わが国で食されるホタテ貝はほとんどが養殖モノです。二大養殖地が東北と北海道の海です。産地で貝柱を採った後の貝殻を有効利用しています。貝殻は軟体動物の外骨格で、その成分の約90%は炭酸カルシウムの結晶構造で、形状はアラレ状の四角柱です。ホタテ貝殻の断面は三層構造になっています。この貝殻を焼く温度や、すり潰してさまざまな大きさ(粒形)にすることでいろいろな用途に使われています。壁材には「燃えない」「仕上げの美しさ」「抗菌」「脱臭」効果を期待して使われますが、薄塗りには30ミクロン前後のパウダー状で、左官材には1mm未満の粗い状態で使われることが多いです。特に抗菌作用や脱臭作用を強めたい場合は1000℃以上の高温で焼き、3~30ミクロンの微粒子状にしたものを使います。最近「抗菌研究所」さんが作っているホタテ貝殻粉が積水ハウスさんの「断熱材」の中に、トヨタ自動車さんのダッシュボードの中に使われ、「脱臭」「抗菌」「不燃」効果を高めているとのことです。