2011.10.31 発酵道①

2011.10.31 発酵道①

書籍「発酵道」は、千葉県香取郡で300年以上続く老舗の造り酒屋「寺田本家」当主・寺田啓佐さんの書かれた本です。電化製品の営業畑から老舗の酒屋に婿入りしてから奮戦むなしく会社を倒産寸前にまでおいやり、あげくはご自分の腸が腐るという大病を経験し、いろいろな方との出会いを通して「生命が喜ぶ酒造り(人の役に立つ酒・百薬の長を作る)」と決意して、今では自然酒の分野では独自の位置を占める酒屋さんに変身・成長させた記録です。日本の高度経済成長期に差し掛かった酒造り業界もいかに安く、大量につくり、杜氏の労力軽減をするかに経営の主眼が置かれ、そのために化学肥料と農薬を大量に使ったお米を使い、醸造アルーコールを添加し増量し、それによる味の変化を調整するためにブドウ糖や水飴などの醸造用糖類、酸味調整用に食品添加物のコハク酸、うま味をだすためのグルタミン酸ソーダなどの添加物を入れた酒造りが主流となり、寺田本家もこの流れの中にいた。この頃、日本酒は「二日酔い」しやすい酒といわれたが、事実は添加物による悪酔いであったとのこと。この手法で経営が行き詰まって来た時に、哲学者常岡一郎師から「あなたの作るお酒は人のお役にたっていますか?」との投げかけ、西田天香師の教えによる無所有・奉仕と平和を祈る実践団体「一燈園」とそこにおられた石川洋師の「下座の祈り」の体験、電子農法により無肥料・無農薬でお米作りをしていた秋田の農家さん等とのさまざまな出会いを通して「百薬の長」となる人々に喜ばれるお酒を造ろうと決心されたのです。